住宅や建物を保護したり美しく化粧するために、塗料やモルタルなどの仕上げ材料が用いられています。
このような液体状の材料を塗り付けて仕上げる方法を「湿式仕上げ」と呼び、工場で生産されたボード、パネル等の製品を取り付ける「乾式仕上げ」と区分されています。
湿式仕上げは、比較的廉価で様々な模様や色の表現ができることから、住宅、学校、施設などの建物に幅広く、大量に使用されています。また、最近では中古住宅の増加に伴って内外装の塗り替えや、リフォームの需要も増えています。
しかし、材料の選び方・使い方あるいは維持管理の状況によっては、比較的早い時期に不具合や欠陥が生じ、耐久性・居住性ばかりでなく建物の資産価値や美観、そしてまち全体の景観にも影響することがあります。
さらに、最近では地球環境の保全やシックハウス問題もクローズアップされ、塗料等に含まれるVOC(揮発性有機化合物)の低減、廃棄物の削減や有効利用、省エネルギー等への関心も急激に高まってきました。
このような問題を解決し、環境や健康への影響あるいは資源問題を踏まえたうえで、建物をより美しく、良質で長期間維持し、市民が快適でより安全な暮らしを営むためには、建物を作る人ばかりでなく使う人も一緒になって相互理解を深めることが重要となってきました。
NPO法人「湿式仕上技術センター」は、湿式内外装仕上げに関する調査研究事業、講演講習事業、相談事業、情報提供事業等によって、一般市民の知識の向上や建築関係者の技術の向上を図り、さらにお互いの理解を深めながら良質な建物の保全と健全なまちづくりを目指して公益の増進に努めることを目的として設立された団体です。 |